つらい冷え性は、男性よりも圧倒的に女性に多い症状です。冷え性はどうしておこるのでしょうか?
また改善や予防はどういったことをすればいいのでしょうか?
まずは「冷え性」のメカニズムを理解し、改善策を講じなければなりません。
解決法はさまざまありますが、プラセンタがその一役買ってくれるというのはあまり知られていません。
まずは原因を探り、改善策をみてみましょう。
Contents
女性の大敵冷え性
体のメカニズム
私たちの体は、生命維持をするために体内で酵素が働いています。その酵素がもっとも活発に働いてくれる温度は約37℃。
そして内臓のある体の中心部は酵素が働きやすい温度を保つために、環境の変化に応じて体温調節を行っています。
暑くなると、両手両足や皮膚表面近くにある血管を拡張させて、血液の流れる量を増やして熱を発散させようとします。それでも足りない場合、汗をかくことで熱を逃がします。
寒いときは、両手両足や皮膚表面などの血液を収縮させて熱の拡散を防ぎ、心臓や肝臓などの臓器が集まる体の中心部に血液を集めて体温維持を図ります。
そうすると手の先や足の先などの末端には血液が行き渡りにくくなり、温度が下がります。これが手や足が冷えた状態です。
そしてこの血液を拡張させたり、収縮させたりするのは、脳の自律神経の中枢である視床下部が深く関わっています。
皮膚が違和感を感じたら、その情報が視床下部に伝えられ、ここから体温を一定に保つように指令が出されます。
寒い場合は、血管を縮めてあまり流さないようにしろと指令を出すことで、皮膚表面の温度を低く保ち、体の熱を逃がさないようにします。
また、暑いときは血管を広げろという指令を出し、皮膚の表面温度を上げて熱を放出したり、汗をかいて熱を逃がしたりというように調整するのです。
冷え性の原因
体のメカニズムを知ると、冬の寒いときや気温が低いときに、体の四肢末梢が冷えていることは至極当然のことですね。
ところが外気の気温が高いにも拘わらず手先と足先が慢性的に冷えている場合があります。
夏なのに、手先や足先が冷えていたり、運動してもなかなか温まらないという場合がそうです。これを「冷え性」と呼びます。
これは本来は働くべき体温調節がうまく機能していない状態で、いくつかの要因が考えられます。
ひとつひとつ確認してみましょう。
エアコンの効きすぎやストレスからくる自律神経の乱れ
私たちの体は自律神経の働きによって体内を一定の温度で保っています。
ところがストレスや不規則な生活が要因となり、自立神経がうまく機能できなくなると冷え性を引き起こす原因となります。
また夏場にエアコンが効きすぎも、室内外の温度差が激しくなるため自律神経の乱れによって体温調節がうまくできなくなります。
締め付けすぎや貧血などの血行不良
きつい下着の着用や、締め付けられるデザインの服装は、血行を悪くするため冷え性の原因となります。
また貧血や低血圧など血流が滞りがちな方も冷え性が多い傾向にあります。
熱を作り出す筋肉の量が少ない
そもそもが女性は男性に比べると熱を作り出す筋肉が少ないため、皮膚表面の温度が低い傾向にあります。
女性に貧血や低血圧の方が多いのは筋肉量が少ないためです。女性だけでなく運動不足の方も筋肉量が少ないため冷え性になりやすいです。
女性ホルモンの乱れ(エストロゲン)
女性の心と体をコントロールしている女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が乱れると、血行の悪化や卵巣の機能低下を招きます。
エストロゲンの分泌の乱れによる弊害は、ストレスや更年期障害を引き起こしてしまいます。また女性ホルモンには血流をよくする作用も備わっています。
血行不良になると、冷えや、生理痛、生理不順を引き起こしてしまいます。
冷え性の弊害
冷え性は万病のもととよく言われます。
体が冷えて血流が悪くなると、血液がドロドロになり、酸素や栄養素が体の隅々まで運ばれなくなってしまいます。
また老廃物も排出されず、体内に蓄積されてしまいます。
体が冷えることによって免疫力も低下します。体温が1℃下がるだけで免疫力が30%以上低下するとも言われます。
その結果、月経異常や子宮内膜症などの原因となり、神経痛や関節リウマチ、腎炎、膀胱炎、腰痛などの原因になる可能性があります。
免疫力が低下すると、あらゆる病気に対して抵抗できなくなるので病気にかかりやすくなってしまいます。
冷え性を侮らず、症状が重くならないうちに対処することが大切です。
体温が下がると、こんな症状
36.5℃・・・・健康体、免疫力旺盛
36.0℃・・・・ふるえることによって熱生産を増加させようとする
35.5℃・・・・恒常的に続くと
・排泄機能低下
・自律神経失調症状が出現
・アレルギー症状が出現
35.0℃・・・・がん細胞が最も増殖する温度
34.0℃・・・・水におぼれた人を救出後、生命の回復ができるギリギリの体温
33.0℃・・・・冬山で遭難し、凍死する前に幻覚が出てくる体温
30.0℃・・・・意識消失
29.0℃・・・・瞳孔拡大
27.0℃・・・・死体の体温(「体を温める」と病気は必ず治る石原結實著より)
冷え性に有効な5つの対策
1.バランスのよい食事を心がける
私たちの体には摂取する食べ物の温度によって体温を正常に保つメカニズムが備わっています。
冷たい飲食物は避けて、体温以上のものを摂るようにするといいでしょう。
ただ特定の食品ばかりに偏るのはよくありません。
長い目でみると食事全体の栄養バランスを整えることが冷え性を解消するひとつの手段です。その際によく噛んで食べることも大切です。
ワンポイントアドバイス
体を冷やす食べ物
キュウリ、レタス、トマト、柿、梨、バナナ、メロン、スイカ、パイナップル、麦茶、コーヒー、牛乳、豆乳など
体を温めるイメージがある生姜や唐辛子は、実は体をほとんど温めません。
生姜にはジンゲロールという温感を高め血流を増加させる成分が含まれていますが、その働きは一時的なものです。
また唐辛子に含まれるカプサイシンは体温を上げる作用がありますが、発汗によって体温を下げてしまいます。
2.タンパク質を十分に摂る
食べ物から摂取したエネルギーの約80%は熱となって体温維持の役割を果たします。栄養素の中で熱として消費される量がもっとも多いのはタンパク質です。
ご飯などの炭水化物は摂取すると肝臓や筋肉でグリコーゲンとして蓄えられ、筋肉を動かすことによってグリコーゲンが燃えます。しかしタンパク質は運動とは関係なく熱を産生してくれます。
筋肉量の少ない女性は、タンパク質を摂ることで熱をスムーズに産生してくれるため冷え性の対策になります。
女性の場合、ダイエットの一環で炭水化物を極端に減らす方がいますが、熱産生が少なくなり、体温が低下しやすくなるので注意が必要です。
3.筋肉を鍛える
前述したとおり、女性は男性に比べて筋肉量がすくないため冷える傾向にあります。
熱の約60%は筋肉によってつくられるので、背中・お腹・お尻・太ももなどの大きな筋肉を鍛えると冷えの改善となります。
また筋肉は血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしているため、鍛えることで血流もよくなります。
鍛えると言っても、ダンベルをもってトレーニングする必要はありません。
1日30分程度のウォーキングを毎日行うと足腰の筋肉が強化され血流もよくなります。
4.全身浴での入浴
美容や良質な睡眠のために半身浴を薦められることがよくありますが、冷え性対策であれば、半身浴ではなく全身浴です。
冷え性改善のためには湯温は40~42℃とやや熱いと感じる温度に肩まで浸かります。その際、長く浸かるとのぼせるので5分程度を目安とし、半身浴に切り替えて10分程度にしたほうがいいでしょう。
肩まで浸かることによって筋肉のこりをほぐし、タンパク質による体の修復作用も期待できます。
5.冷たいものやアルコールの飲みすぎに注意
アルコールを摂取すると発生するアセトアルデヒドが血管を拡張させるため、皮膚から大量の熱が放出されてしまい、体が冷えます。
また、くり返しになりますがアルコールが含まれていなくても冷たい飲み物ばかり飲むのは体を冷やす要因です。
ワンポイントアドバイス
朝起きてコップ1杯の常温の水を飲むことはおすすめです。
胃の中に冷たい水が入ることで、体温が下がったと言うサインがでて、体温を上げるよう脳が指令をだすので冷えの対策になります。
ただし血圧などに問題のある方は注意が必要です。
プラセンタが冷え性に効く理由
自律神経の乱れを整える
プラセンタには、自律神経のバランスを整える働きがあります。
自律神経をコントロールすることで、脳への伝達もスムーズに運び、環境の変化による体温調節を一定に保つように的確な指令を出すことができます。
また自律神経とホルモンバランスは密接な関係があり、自律神経が整うことによってホルモンバランスも整っていきます。
エストロゲンの分泌の手助け
ホルモンバランスの乱れは女性にとって大きな影響を与えてしまいます。プラセンタは女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を手助けする作用があります。
エストロゲンが分泌されることによって、血流もよくなる作用があるため、冷え性にも効果があると言えます。
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血圧調整作用
プラセンタには血圧を調整する作用もあります。血流がよくなることで体全身の血の巡りがよくなり、冷えの改善につながります。
豊富なタンパク質含有
プラセンタはほぼタンパク質であり、豊富なアミノ酸が含まれています。必須アミノ酸を摂ることで内蔵機能が活発になり、基礎代謝も向上します。
基礎代謝が上がることで、体内で熱を作り出しやすくなり、体温維持ができ、その結果冷えが改善されます。
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