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副業のこと

ママ友からネットワークビジネスに誘われて思い出した若かりし日の苦い経験。

2025年10月13日




ある日、ママ友からLINEが届いた。

「ちょっと相談があるんだけど、二人だけで会えない?」

ん? なんだか嫌な予感……。

このフレーズ、どこかで聞いたことあるぞ、、、、、

 

当時私は、脳梗塞を患い半身不随になった父の介護の真っ只中。

 

ママ友と会う約束をした日に父が体調を崩し病院へ連れていくことに。

やむなくママ友との約束を延期。

だけど、話の内容は気になったので、LINEで要件を聞いてみたところ……

 

「すごい話があるの!」

「一緒にやりたいビジネスがあるの!」という返事。

 

あぁ、やっぱり……。

ピンときた。——これはネットワークビジネスの誘いだ。

 

経験したから分かる独特の世界観

それは案の定、健康食品のネットワークビジネスだった。

彼女は疑うことなく、どんなにすごいか力説してくる。

この感じ、

よぉぉく分かる、分かりすぎるくらい、分かる。

カノジョの鼻息の粗く高揚感溢れる喋り、やたらハイテンションでポジティブ。

ネガティブなことは一切言わない、

この感じ……。

なんか独特の世界観があるこの感じ。

 

なぜなら実は私、どっぷりハマった経験者ですから。

 

カノジョ、すっかり洗脳されているわ

 

時はバブル絶頂期の1985年ごろ。

友人たちは証券会社などに勤め、

「ボーナス60万円も出た!」なんて景気のいい話をしていた。

 

その一方で、私は手取り10万円ちょっと。

「私もお金がほしい」「豊かになりたい」と、

いつも思っていた。

 

そんなとき、大学時代の親友から

「いいセミナーがあるから一緒に行かない?」と誘われた。

どんな内容か聞いても教えてくれず、

「行けばわかるから」と言うばかり。

 

少し不思議に思いながらも、親友の頼みとあって一緒に参加した。

 

熱気と興奮に包まれた“セミナー”

行ってみると、それは健康食品のセミナー。

最初は「親友が騙されてるんじゃないか?」と思っていた私。

 

親友を止めさせるつもりで話を聞いていたはずが、

壇上で熱く語る人たちのエネルギーにすっかり引き込まれてしまい、

セミナーが終わるころには

「私もやる!」と言っていたのだから笑えない。

 

これではまるで

ネズミ捕りがネズミになった

ん?

ミイラ取りがミイラになる?

 

そのセミナーには巧みに、夢・自由・高収入など“希望”をうまく刺激する仕組みがあり、

「努力次第で誰でも成功できる」という言葉の魔力をかけられ、

ちょっと頑張れば手が届くような錯覚を抱かせるようなものだった。

 

今思えば、これが“洗脳”ってやつでしょうね。

これにまんまと引っかかってしまった若かりし頃の私……。

 

後ろめたさがありながら勧誘するストレス

意気込んで始めたものの、いざ友人を誘おうとすると正直に言えない。

セミナーと言えば怪しまれるに決まってるし、

かと言って連れて来なければ自分の組織もできないし……。

(典型的なピラミッド型の構造)

 

後ろめたさと向上心とがぶつかり合う葛藤の日々。

 

そんな私に、組織のトップ(代理店と呼称されていた)が言い放つ。

「正直に言うからダメ。“お茶でもどう?”って言って誘えばいいの」

 

なるほど、と思ってしまった私は、

正直に話さず、“お茶”と称して友人を連れ出すように。(そっちのほうが気が楽だった)

 

冷静に考えれば、それは友人を騙している行為。

心のどこかで「これは違う」と思いながらも、正直に言えず騙すような形でセミナー会場へ連れ出した。

 

案の定、「そんな人とは思わなかった、もう声をかけてこないで!」と絶交され、友人を失ってしまった私。

思い出したくない苦い思い出。

 

残ったのは健康食品の山だけ

私のようなガラスのハートだと、いちいち心を折られることばかり。

友人や家族を巻き込む誘い方に葛藤が生まれているのに、

自分のやっていることを正当化しなければ前に進めない。

どこか後ろめたさを感じながら誘うのって、相当なストレス。

稼ぐどころか、心がすり減っていく。

 

1年ほど続けた結果、

得たのは自分で買った健康食品の山と、

失った信頼だけだった。

今では絶交された友人とも復縁を果たしたものの、

取り戻すまでに、本当に長い時間がかかってしまった。

 

ネットワークビジネスは、心臓の強い人向き

情熱があって、人を誘うことをためらわない人なら

成功できるのかもしれない。

だけど、私のように少しでも「後ろめたい」と感じる人には、

きっと向かない世界。

 

ネットワークビジネスは簡単に稼げる世界ではないと思う。

「儲かっている人」はごく一部。

頂点に立っている人だけが潤うシステム。

 

あのときの“代理店”の方々は、今どうしているかな。

おそらく、もう続けてはいないでしょう。

 

友人へ、そして昔の自分へ

ママ友の姿を見て、 ふとあの頃の自分を思い出した。

あのときは信じていた。

「努力すれば夢が叶う」「みんなで成功できる」って。

 

でも、現実はそんなに甘くなかった。

 

そして、何よりつらかったのは、

“人間関係を壊してしまった”こと。

 

だから今、伝えたい。

簡単に稼げる道なんてない。

でも、誠実に積み重ねたものは、必ず自分を助けてくれる。

これにハマってしまう人は、

きっと情熱があって、

やる気に満ち溢れていて、

野望があるんでしょうね。

 

意欲がなくて、出世欲がなくて、お金もそんなに稼がなくてもいいって人だったら、恐らくなびかない世界。

なまじ野心があるから、前のめりになってしまう。

そういう人の心理を突いてくるビジネス。

 

しかし、

ネットワークビジネスの道は、思っている以上に険しい。

生半可な気持ちじゃ、頂点に立てない。

と、凡人の私は思う。

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