毎日何気なく行っている美容の習慣。本当にこれでいいのだろうかとふと思うことはありませんか?
これまで当たり前に行ってきたことを見つめ直してみると、意外にも無駄な点や思い込みがたくさんみつかります。ほんの少しやり方を変えるだけで、少しの努力できれいになることは可能です。
今までの美容習慣をシンプルで効果的にする、賢いテクニックをご紹介します。
朝は肌も体も元気にスタート
コップ1杯の水を飲む
朝、起き抜けにコップ1杯(200~250ml)の常温の水を一気に飲みましょう。
美容だけでなく体の健康につながります。
人は寝ている間に汗などによって大量の水分を消費しています。朝、起きたときに水を飲むことは寝ている間に失われた水分を補給する上で大切ですが、実はそれだけはありません。
起き抜けに1杯の水を飲むことによって、胃腸の蠕動(ぜんどう)運動を促します。これにより腸が目覚め刺激によって蠕動運動が活発になり、自然な便意が誘発されます。また水分によって便が柔らかくなり、スムーズな排便につながります。
また加齢によって低下しやすい副交感神経を刺激して自律神経のバランスを整えてくれる効果もあります。
朝は副交感神経が優位な状態から、交感神経が優位に切り替わる時間帯となり、副交感神経が低下しやすくなります。このとき下がりすぎるとイライラしやすくなります。コップ1杯の水を飲むことで自律神経のバランスを整えてくれます。
朝はコーヒーを飲むことが習慣になっている人も、コーヒーを飲む前にまず1杯の水を飲むように切り替えましょう。
洗顔料を使い分ける
朝洗顔料を使ってきっちり洗っていませんか?
そもそも朝の洗顔は、肌に残る老廃物や酸化したクリームなどを落とすことが目的。
夜寝ている間に汗や皮脂、埃やダニなどさまざまなものが顔に付着します。そういった汚れを洗顔料を使って洗い流すことは、理にかなっています。しかし洗いすぎは禁物。肌のうるおいを奪う原因にもなります。
特に乾燥肌の方は洗い過ぎると、却って乾燥が進んでしまう要因となるため、ぬるま湯だけでの洗顔もアリです。
気になる場合は、クレンジングミルクでふき取るだけでもOK。
ただし、顔を洗うときに熱いお湯で洗うのはNG。乾燥が進む要因となります。顔を洗うときは、ぬるま湯か水で洗うようにしましょう。
自然光の下でメイクする
窓のない洗面所などでメイクしていませんか?
メイクはできるだけ自然光の入る明るいところでするようにしましょう。持ち運びできるメイクボックスやポーチを利用するといいですね。
蛍光灯や白熱灯のような人工的な光の下では色がわからず失敗の原因になります。
色は光を反射して初めて目に見えます。自宅とオフィスでは環境が異なるため、反射する光も違い、イメージと違った色づかいになることもあります。
3点重視のシンプルメイク
メイクはしっかりファンデーションも塗ってフルメイクするのが正しいと思っていませんか?
時間がない朝はファンデーションを塗らなくても、まつ毛、頬、唇に手を加えるだけで顔立ちがはっきりします。もうひと手間かけれるなら眉を描くとさらによし。
マスカラ、チーク、リップグロスの3点メイクで、メイクのステップを省略してみましょう。
肌の厚みに合わせて塗る
ファンデーションを顔全体に均一に塗っていませんか?
顔の肌の厚みは一定でないので肌の部分によってファンデーションの量を変えて塗ります。
厚みのある頬は多めに塗り、額、鼻、口元といった皮下脂肪の少ない部分は少なめに塗ります。
顔全体にファンデーションを薄く伸ばし、最後に頬だけもう一度重ねると、簡単に立体的な顔立ちに仕上がります。
眉は濃淡をつけて描く
アイブロウするときに、眉頭からしっかり描いていませんか?
眉を描くとに、眉頭から3分の1くらいの中心部を一番濃く見えるように描くだけで自然な立体感が得られます。最も薄いのは眉頭なので、ここが濃くならないように注意して描きます。
描くときに、顔を傾けていると左右のバランスが崩れやすくなるため、まっすぐな状態で描くようにしましょう。
カラーマスカラを重ねる
目元のアイラインがうまく決まらないという場合、カラーマスカラを使うと簡単で失敗しません。
通常のマスカラの上に、濃紺に近いブルーのマスカラを重ね塗りすると、華やかな印象になります。30~40代の大人の女性なら、上まつ毛だけ、または下まつ毛だけ塗ることで上品な印象になります。
油分より水分補給をする
化粧のノリが悪いとクリームをつけていませんか?
肌がカサついたり、ファンデーションのノリが悪いと感じたら水分補給が必要です。
化粧水をたっぷり浸したコットンを顔の上に載せておくだけで効果はあります。最近では市販のシートパックの種類も豊富になってきました。夜だけの習慣にしておくのはもったいない。5~6分間おくだけで、肌がふっくらしてきます。
パフはこまめに洗う
パフは汚れるまで使っていませんか?
スポンジパフについたファンデーションの油分と皮脂は、空気に触れると酸化します。汚れたまま使用すると、かぶれたり、ニキビが広がるなど肌のトラブルの要因となってしまいます。
3日に1度は、中性洗剤を薄めて洗うことを心がけましょう。その際にしっかり乾かすことがポイント。濡れたままでは雑菌がさらに繁殖します。
使い捨てスポンジを上下半分ずつ、裏表と、計4回使用したら新調します。使用した面をハサミでどんどん切り捨てて、常に清潔な面を使えるキューブ型も便利です。
昼、出先でも美しさをキープするコツ
ハンドクリームは小まめに
ハンドクリームは小まめに塗りましょう。ワセリンのようなしっかりとしたハンドクリームなどベタつきが気になるなら、水でさっと洗い流しても大丈夫。ただしタオルで水気はしっかり拭き取っておきます。
肌の内側にクリームが浸透しているので、表面を洗い流してもしっとり感は持続します。
ポーチに乳液を入れておく
乳液を小分けにして携帯しておくと便利です。
乳液を手のひらに薄くのばし、乾燥している部分に上から軽く抑えるようになじませます。
またメイク直しの際に、乳液で一度ファンデーションを落としてから塗り直すと肌がしっとりとします。
保湿力の高いリッチなクリームは、乾燥対策には効果がありますが、メイクが崩れやすくなることもあります。
メイク直しは手を使う
出先でのメイク直しはいちいちブラシ類を使ってするのも面倒です。そんなときは手をフルに活用しましょう。色を重ねたり、肌に伸ばしたり、何でもできます。
特に鮮やかで濃い色のグロスは手で伸ばすのがおすすめ。グロスを唇の中央に乗せ、指でていねいに伸ばします。筆で描くよりもずっと自然に仕上がります。
爪に刺激を与えない
仕事でパソコンを使うとき、爪を立ててタイピングしていませんか?
ネイルを長持ちさせる最大のコツは、刺激を与えないこと。キーボードはできるだけ指の腹で打つようにして、爪を守るように心がけましょう。
物をつかむときなども、がさつにつかんだり、ぶつけたりしないようできるだけ落ち着いて行います。
缶ジュースのプルトップも、ネイルを傷つける大きな要因になります。意識的に指の腹を使うようにしましょう。
2種類の香りをつける
香りはダイレクトに脳に作用します。朝と夕方であえて違う香りをつけることで気分をリフレッシュすることができます。
朝用には透明感のある、周りと調和する香りを選び、夕方からは個性的なものをチョイス。その際は、二つの香りのノート(香調)や、トーン(軽さ、重さ)まどを同じにすることがポイント。その人らしさを感じさせることが大切です。
眠る前は肌や髪をケアするのにベストな時間
必ず湯船につかる
入浴はシャワーだけで簡単に済ましていませんか?
一日の最後の入浴はできるだけ湯船につかりましょう。
紫外線や冷房が強くなる夏は、髪が一年中で一番年をとる季節だと言われます。シャワーだけでサッと済まさず、夏でもできるだけ湯船につかります。その際、半身浴でも構いません。
そうすることで足元から体を温めて代謝を上げ、頭皮の血行も良くなります。
湯船の中で、こめかみのあたりに手を当て、左右から頭頂部にかけてグーっと引き上げてマッサージするといいでしょう。
髪を洗う前のひと手間
髪を洗う前にブラッシングしてからシャンプーをすると効果的。
髪の表面についている汚れを取り、毛穴の汚れを浮き上がらせてくれます。このとき、目の粗いコームよりも地肌にやさしい猪毛か豚毛のブラシがおすすめです。
キューティクルを守るために毛根から毛先に向かって一定方向にブラシを動かします。
血行促進にもなり、髪のまとまりがよくなります。
頭皮もしっかり乾かす
髪を乾かすときに、毛先を中心に乾かしていませんか?
髪だけでなく頭皮もきちんと乾かします。頭皮が生乾きのまま寝ると雑菌が繁殖する原因になり、頭臭やかゆみを引き起こすことがあります。
ドライヤーは毛先だけでなく、根元にもしっかり当てましょう。またオーバードライは髪を傷める大きな要因です。頭皮が乾いた頃には髪も7割がた乾いています。ドライヤーをする前に熱から守るオイルを必ず使いましょう。
湯上りは肌を冷やすこと
湯上りのほてった肌に化粧水をつけていませんか?
湯上りの体は汗をかいています。顔がほてっているうちは、毛穴から老廃物を出すのが優先で、栄養分を取り込む状態ではありません。
まずは冷たいタオルパックなどで肌を通常の体温まで下げます。それから化粧水、美容液、クリームと続けて下さい。
たっぷりの化粧水でパッティングしてもクールダウンできます。
化粧水は手でつける
化粧水をつけるのにコットンを使っていませんか?
コットンよりも手でつけるほうが肌のコンディションがわかります。化粧水を手のくぼみにとり、両手に分けてから顔になじませます。
加齢とともに肌はたるみ、毛穴は下を向いてきます。つけるときは下から上に、毛穴に化粧水を押し込むイメージでやさしくパッティング。目の回りの皮膚は頬の3分の1の厚さなので、力も3分の1で十分です。
シルクの美肌効果を活用
枕カバーの素材を気にしていますか?
枕カバーはシルクを選んでみましょう。シルクは肌触りがいいだけでなく、吸湿性、保湿性、通気性、保温性に優れています。
冬は暖かく夏は涼しいシルクは季節を問わず心地よい眠りをもたらしてくれます。また、シルク繊維は断面が三角形で、肌に触れると優しく自然に皮膚の古い角質を取り除き、ターンオーバーを促す効果があります。
(参考文献:REAL SIMPLE No.04 日経BP社発行)